「脱力感覚」は “自転車に乗ること” と同じ。

ムダな力が抜けて、心地よく脱力できたときの身体感覚を【遊体法/テラノ式手ぬぐい体操】では「脱力感覚」と呼んでいます。
【テラノ式手ぬぐい体操】でいえば、手ぬぐいがピーンと張って、お互いがお互いの重さで引っ張り合う、または前後左右のバランスが取れる、重力とバランスが取れることで、”重さ” を感じなくなる状態です。
最初のうちはどうしても無意識的に「動かそう」とか「この動きをやろう」と思ってしまうことで、いつの間にか力んでしまったり、また、ほんの一瞬「心地いい」と感じられても、その感じがすぐになくなってしまうかと思います。
うまく感じられないからといってダメでもなんでもないし、すぐに諦めてしまうのはもったいないです。
なぜならそれは、「脱力感覚」に慣れていないからです。
「力を抜く」とか「心地よさを感じて広げる」、「もたれかかる」、「ぶらさがる」、「引っかかる」、「身を任せる」、「委ねる」という感覚は、多くの人が普段あまり意識していない、感じようとしていないと思います。
特に仕事ができる人や頭のいい人ほど、「こうしないといけない」とか「弱い自分を克服する」、「頑張る」という方向に意識を向けているので、ついつい頑張ってしまいがちです。
普段から慣れていないことはなかなかうまくできません。
この「脱力感覚」を乗りこなすことは「自転車に乗ること」と似ていると思います。
まず、私たちは自転車に限らず、クルマ、バイク、サーフボード、スノーボード、スケートボード、カヌー、ヨット、パラグライダー、馬、、、といった乗り物系の遊びやスポーツをするとき、私たちの “身体” が自転車やクルマなどの “道具” をいかに無理なく「乗りこなすのか」が大切となります。
まさに “人馬一体” 状態ですよね。乗っている道具すら自分の身体の一部のように扱えたらそれは楽しいことでしょう。
この場合、ドライバーが人間で乗る道具が自転車やクルマとなるわけですが、その道具に乗る前に、まず「”意識” というドライバーが “身体” という道具をきちんと乗りこなせているか」ということが大切となります。
自分自身の意識が身体を的確にコントロールできていなければ、当然、その先にある道具が的確にコントロールできるはずもありません。
ですが、私たちは身体の先にある “道具” を扱うことばかりに意識がいってしまって、もっと手前にある ”身体という道具” を上手に扱うことを忘れがちです。
まずは “意識” というドライバーが “身体” という乗り物をきちんと乗りこなすためにも、自分自身の身体の状態(力んでいるのか、力が抜けているのか)を細かく感じ取らなければなりません。
だからこそ、まずは心地よいのかどうか、力が抜けているのかどうかを感じる「脱力感覚」が必要になってくるというわけです。
また、ほとんどの人が自転車に乗れると思います。
でも、誰もが最初から上手に乗れたわけではないはずです。
最初は転びながら、そしてヨロヨロしながら、段々と乗れる距離が長くなって、そしてそれが当たり前になれば、視線は近くから段々と遠くなり、片手でも運転できるし、やがては前後に子供を二人乗せて買い物袋を下げて乗るなんてこともできます。
”意識” が “身体” を乗りこなす「脱力感覚」もまさにこれと同じです。
最初は感じたことのない感覚なので、よくわからなかったり、感じられても一瞬で足が付いてしまうようにその感覚がどこかに行ってしまったりしてしまいます。
でも、誰もが自転車に乗れるようになるように、じっくりと自分自身と向き合って深く感じていくと、誰もがこの「脱力感覚」を体感することができます。
そして慣れてくればくるほどに、これも自転車と同じく余裕が出てくるので、身体のいろんな場所を同時に感じたり、また脱力感覚を持ったまま動いたりすることも可能です。
【テラノ式手ぬぐい体操】でいえば、身体が柔らかくなって脱力感覚が十分に育てば、何か動きやポーズをとれば一瞬で心地よい「脱力感覚」に到達して、しかも、それが長時間続くようになります。
つまり、「脱力感覚」が深まって身体がやわらくなるにつれて、「心地よい時間」が長続きするということなんです。
この感覚は頭でいくら考えてもたどり着きません。
なぜなら、自転車の乗り方を口頭で人に教えられますか?
これは相当難しいですよね。というか不可能だと思います。
やはり本人の感覚を育てることが最も大切だし、それには考えるのではなく感じていく必要があるからです。
そして、自転車と同じく、心地よい「脱力感覚」も1度しっかりと身体に染み込ませてしまえば一生忘れることはありません。
この「脱力感覚」を使って頑張って鍛えるのではなく、「遊ぶように心地よく身体を乗りこなす」ことこそが【遊体法】の目的のひとつです。
ただし、”身体に染みこませる” 前にやめてしまえば、また1からやり直しです。
多くの人を見てきた経験上、少なくても5回〜10回ほどはワークショップ、もしくは5回ほど個人セッションを受けないと、結局は3日も経てば全てを忘れて「アレ、なにやるんだっけ?」となりがちです。
ですから、【遊体法/テラノ式手ぬぐい体操】を体験されたことがある方は必ず何度か受けにいらしてください。これから体験される方もできれば何度か受けにくるつもりでいらしてください。
この感覚を知らずに生きているなんてもったいなさすぎる!
明日からももちろんですが、20年後、30年後の未来が大きく変わります。
ぜひ心地よさに導かれる「脱力感覚」を身につけて、無理なく楽しく遊べる身体使いをマスターしてみてください。
引用元 遊体法HPhttp://yutaiho.com/2578

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